避難所DX化のお手伝い

三重県下の某連合自治会(27町の自治会の集まり)の防災訓練において、避難所DX化のためのトライアルを実施、当団体はそのお手伝いさせて頂きました。

どんな訓練?

DX化の試みは初めてということもあり、避難所の入所受け付け作業にターゲットを絞り、従来の避難者カードの代わりにシステムを使った受付を実施してみることにしました。具体的には、住民はシステムに必要な情報を事前登録しておき、入所時にシステムが自動生成したQRコードを受付端末のカメラにかざすという電子マネー決済と同じやり方です。

いざ受付開始!

受付は、30分で100人を超える避難者を、ピーク時には一人当たり平均約4秒というスピードで処理することができました。従来の避難者カードでは受付側の台帳管理も必要ですから、これだけの速さで受け付けることは難しいでしょう。

それにしても驚いたのは高齢者の割合の高さです。スマホ操作に不慣れな方々のことも考慮し、従来の避難者カードによる受け付けも併用したのですが、それにも関わらず多くの高齢者がシステムを使って入所くださいました。

訓練を終えて

今回の避難所DX化のためのトライアルは、受付処理がとても迅速かつスムースに、かつ高齢者でも利用できることが実証できましたが、途中で使用していたWiFiモバイルルータが突然バッテリー切れを起こすというトラブルに見舞われ、あっという間に待ち行列が。改めてIT機器・ツールは電源や通信が命綱であり、日頃の訓練の重要性・必要性を痛感した次第です。

参考までに

今回使用したシステムは、他の自治体で既に導入・運用中のスマート避難所システムで、避難者は次のようなことをお手持ちのスマホなどから新たなアプリをインストールせずに行えます。受付端末も特別な装置は不要で、カメラ付きのウェブブラウザが使えるデバイス(PC、タブレット、スマホなど)であれば大丈夫です。

  • 入退出届出
  • 健康状態の報告
  • 食事・支援物資のリクエスト
  • 登録済みの近親者等に入所情報をお知らせ

QRコードは、その場でスマホを使って表示するか、事前に印刷したものでも構いません。また、スマホを持たない(使えない)子供や高齢者家族等の一緒に避難される方々の情報も併せて代表者として登録しQRコード表示可能です。さらに、そもそもシステム登録していない人やQRコードを表示できない人に対しては、第三者が代行入力して一時的なQRコードを紙配布する仕組みもあります。

マイナンバーカードが使えれば事前登録が不要になりますが、そもそも避難時にマイナカードを持参していないと意味がないので、現状の普及度合いを踏まえると時期尚早かも知れません。近い将来、健康保険証や自動車運転免許の一体化による携帯の常習化や、マイナカードのスマホ搭載および対応スマホの普及が進むとかなり現実味を帯びてくるでしょう。あとはマイナカードを読み取る専用の受付端末をどうするかという課題くらいでしょうか。

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